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2011年04月 アーカイブ

博物館行き?

「ところがその翌年だったと思います。

日本のある自動車専門誌に、日本の某自動車メーカーの技術者が『ロータリーエンジンは排ガスに問題がある。米国のカリフォルニア州でスモッグが問題になっているが、これは近く米国全土から世界中に広がる大問題だ。その時にロータリーエンジンは命脈が尽きる。ただ、博物館に展示するくらいの価値はあるだろう』という一文を書きました。

これを読み、先のハイデカンプ社長の話を思い出して、私は『早急に排ガスの解決手段を考えないと危ない』と感じました。

排ガスは日本でも近く大きな社会問題になりそうだ。

ただでさえロータリーエンジンはレシプロエンジン全盛の中で"異端児"扱いされており、常に抹殺される危険性があったのです。

そこへ排ガスの問題が新しく出てきて『ロータリーエンジンは米国を走ることはないだろう』とか『博物館に置く価値はある』などといわれ始めた。

これらの言葉が、私の技術者としての意地を著しく刺激したのです。

なにくそ、抹殺されてたまるものか、と思いましたね」

この反骨精神でマツダはロータリーエンジンの改良に挑み、マスキー法を乗り切ります。

今の車は自家用車から中古車トラックまですべて規制をクリアした車ですよ。

ロータリーエンジンの苦悩

「昭和43年ごろ、まず排ガスの正体を調べることから始めました。

排ガスの中には炭酸ガス(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)などが含まれています。

このうちCOは主として空気と燃料との混合比(空燃比)によって支配され、エンジンの形状とは関係ありません。

エンジンの形状や条件によって増減するのはHCとNOです。

ところが最初のうちはNOはあまり問題にならなかったのです。

つまり従来のレシプロエンジンに比べてロータリーエンジンの排ガスが米国の雑誌などで批判されたのは、HCのことだ、ということがわかりました」

マツダはこのHCを減らす努力をします。

その甲斐あって乗用車からトラック中古車に使われるロータリーエンジンすべてでマスキー法をクリアしました。

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