一歩一歩が大事
「ロータリーエンジンから出てくるHCをどうやってつぶすか、にしぼられたわけです。
そこで43年秋ごろからこの研究にとりかかりました。
エンジンから出てきた排ガスを処理するには、当時はまだ信頼できる触媒はなかったから、サーマル・リアクター(熱反応器)しかない、と考えました。
サーマル・リアクターは、文献としてはボツボツありましたが、まだ実用化はされていません。
まずサーマル・リアクターの基礎的な研究から始めました。
HCは一種の可燃物で、燃えると水蒸気と炭酸ガスになります。
そこで炭化水素を摂氏800度以上の高温の部屋で空気(酸素)と反応させました。
このような高温に保つための材質、部屋の構造(設計)、大きさ、空気の量、空燃比など、当時はまだ確立されていない未知の技術を一歩一歩固めていきました。
このようにして47年の暮には見通しがつき、48年の米国環境保護局(EPA)の公聴会に持ちこんで"お墨付き"をもらったのです」
これでマツダの中古車トラックやトラックに使われるロータリーエンジンは日本国内を走れるようになりました。