アンチ自動車の存在

フランスは当時ヨーロッパ文化の中心地としての自負にあふれていた。

フランス大革命のスローガン、「自由、平等、博愛」の理想を、フランス人は大きな誇りをもって支持しようとしていた。

革命後のフランスの歴史は、たしかに進歩派の独占というわけにはいかなかった。

むしろ旧体制派もしくは王党派とのシーソーゲームの続いた感もあるが、自由と人間解放への信念は、フランス人のメンタリティの底流として力強く流れていた。

"社会派"の文豪エミール・ゾラは一九世紀の末、当時まだ危険視されていた自動車にはじめて乗った後、感想を求あられてこう答えた。

「未来は自動車のものだーそれは人間を解放するからだ」。

アンチ自動車の立場をとる質問者がその危険を未練がましく指摘すると、ゾラは言った。

それはまさに、今のトラック中古車などの輸送にかかわる自動車の登場するきっかけとなり、物流がさらに速くなる原動力となるのである。

「それならブレーキを改良すればよいでしょう」。

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